- functional[meta header]
<functional>
ヘッダは、関数オブジェクトに関する機能を提供する。
関数オブジェクトとは、通常の関数と同じ構文で関数呼び出しを扱えるクラスである。
単純な関数オブジェクトの構造は次のとおりである:
struct doubler {
int operator ()(int x) const { return x * 2; }
};
関数オブジェクトは、関数・関数へのポインタに対して、以下のような利点がある:
- 状態を保持できる
- (特にアルゴリズムにファンクタとして渡した場合)インライン展開が容易である
- 多相(オーバーロードやテンプレート)にしても関数へのポインタのように曖昧にならない
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
function |
関数・関数オブジェクトの多相的なラッパー(class template) | C++11 |
bad_function_call |
不正な関数呼び出しに関する例外(class) | C++11 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
invoke |
共通の操作で関数呼び出しを行う(function template) | C++17 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
bind_front |
関数の引数を先頭から順に部分適用する(function template) | C++20 |
bind |
関数の引数を部分適用する(function template) | C++11 |
is_bind_expression |
型をbind の式と見なすか判定する(class template) |
C++11 |
is_placeholder |
型がプレースホルダーかどうかを判定する(class template) | C++11 |
placeholders |
部分適用のためのプレースホルダー(namespace) | C++11 |
mem_fn |
メンバ関数アダプタ(function template) | C++11 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
reference_wrapper |
テンプレートで参照を渡すためのラッパー(class template) | C++11 |
ref |
オブジェクトへの参照を構築する(function template) | C++11 |
cref |
オブジェクトへのconst左辺値参照を構築する(function template) | C++11 |
unwrap_reference |
reference_wrapper<T> 型をT& 型に展開する (class template) |
C++20 |
unwrap_ref_decay |
reference_wrapper<T> 型をT& 型に展開し、型推論規則による型変換を行う (class template) |
C++20 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
hash |
オブジェクトを示すハッシュを計算する(class template) | C++11 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
plus |
加算(class template) | |
minus |
減算(class template) | |
multiplies |
乗算(class template) | |
divides |
除算(class template) | |
modulus |
剰余算(class template) | |
negate |
符号反転(class template) |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
equal_to |
等値比較(class template) | |
not_equal_to |
非等値比較(class template) | |
less |
左辺が右辺より小さいかの比較(class template) | |
less_equal |
左辺が右辺以下かの比較(class template) | |
greater |
左辺が右辺より大きいかの比較(class template) | |
greater_equal |
左辺が右辺以上かの比較(class template) |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
logical_and |
論理積(AND) (class template) | |
logical_or |
論理和(OR) (class template) | |
logical_not |
論理否定 (class template) |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
bit_and |
ビットごとの論理積(AND) (class template) | C++11 |
bit_or |
ビットごとの論理和(OR) (class template) | C++11 |
bit_xor |
ビットごとの排他的論理和(XOR) (class template) | C++11 |
bit_not |
ビットごとの論理否定(NOT) (class template) | C++14 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
not_fn |
任意個数の引数をとる関数オブジェクトを論理反転する (function template) | C++17 |
unary_negate |
単項の論理反転 (class template) | C++17から非推奨 C++20で削除 |
not1 |
単項の述語を論理反転する (function template) | C++17から非推奨 C++20で削除 |
binary_negate |
二項の論理反転 (class template) | C++17から非推奨 C++20で削除 |
not2 |
二項の述語を論理反転する (function template) | C++17から非推奨 C++20で削除 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
default_searcher |
二分探索による検索器 (class template) | C++17 |
boyer_moore_searcher |
ボイヤー・ムーア法による検索器 (class template) | C++17 |
boyer_moore_horspool_searcher |
ボイヤー・ムーア・ホースプール法による検索器 (class template) | C++17 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
unary_function |
単項関数オブジェクト(class template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
binary_function |
二項関数オブジェクト(class template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
pointer_to_unary_function |
単項関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ(class template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
pointer_to_binary_function |
二項関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ(class template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
ptr_fun |
関数ポインタを関数オブジェクトに変換する(function template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
mem_fun_t |
メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ。 オブジェクトへのポインタに対してメンバ関数を呼び出す。(class template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
mem_fun1_t |
単項メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ。 オブジェクトへのポインタに対してメンバ関数を呼び出す。(class template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
mem_fun_ref_t |
メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ。 オブジェクトへの参照に対してメンバ関数を呼び出す。(class template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
mem_fun1_ref_t |
単項メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ。 オブジェクトへの参照に対してメンバ関数を呼び出す。(class template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
const_mem_fun_t |
メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ。 オブジェクトへのconstポインタに対してメンバ関数を呼び出す。(class template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
const_mem_fun1_t |
単項メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換するアダプタ。 オブジェクトへのconstポインタに対してメンバ関数を呼び出す。(class template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
mem_fun |
メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換する。 返される関数オブジェクトは、オブジェクトへのポインタを引数にとる。(function template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
mem_fun_ref |
メンバ関数ポインタを関数オブジェクトに変換する。 返される関数オブジェクトは、オブジェクトへの参照を引数にとる。(function template) |
C++11から非推奨 C++17で削除 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
binder1st |
第1引数を部分適用する関数オブジェクト(class template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
bind1st |
第1引数を部分適用する(function template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
binder2nd |
第2引数を部分適用する関数オブジェクト(class template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
bind2nd |
第2引数を部分適用する関数オブジェクト(function template) | C++11から非推奨 C++17で削除 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
Callable | 関数呼び出し可能な型 | C++11 |
INVOKE | 関数呼び出しの式 | C++11 |