- memory[meta header]
- std[meta namespace]
- class template[meta id-type]
- cpp11[meta cpp]
namespace std {
template <class Alloc>
struct allocator_traits;
}
allocator_traits
は、アロケータクラスの機能に間接的にアクセスするためのインタフェースを提供するクラスである。
このクラスはC++11から導入され、メモリアロケータを扱うクラス(たとえばコンテナ)は、アロケータクラスの機能に直接アクセスする従来の仕様から、allocator_traits
を介してアロケータにアクセスするように変更された。
allocator_traits
はアロケータに必要な機能の多くに対してデフォルト実装を用意しているため、この変更により、ユーザーが自作アロケータを作るのが容易になった。
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
allocate |
メモリを確保する | C++11 |
deallocate |
メモリを解放する | C++11 |
max_size |
一度に確保可能なメモリの最大サイズを取得する | C++11 |
construct |
引数を元にインスタンスを構築する | C++11 |
destroy |
インスタンスを破棄する | C++11 |
select_on_container_copy_construction |
コンテナのコピー構築に使用するアロケータオブジェクトを取得する | C++11 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
allocator_type |
アロケータ型 Alloc |
C++11 |
value_type |
要素の型 typename Alloc::value_type |
C++11 |
pointer |
要素のポインタ型。Alloc がメンバ型pointer を持っていればそれを使用し、そうでなければvalue_type* を使用する。 |
C++11 |
const_pointer |
読み取り専用の要素のポインタ型。Alloc がメンバ型const_pointer を持っていればそれを使用し、そうでなければpointer_traits <pointer>::rebind<const value_type> を使用する。 |
C++11 |
void_pointer |
void のポインタ型。Alloc がメンバ型void_pointer を持っていればそれを使用し、そうでなければpointer_traits <pointer>::rebind<void> を使用する。 |
C++11 |
const_void_pointer |
読み取り専用のvoid のポインタ型。Alloc がメンバ型const_void_pointer を持っていればそれを使用し、そうでなければpointer_traits <pointer>::rebind<const void> を使用する。 |
C++11 |
difference_type |
ポインタの差を表す符号付き整数型。Alloc がメンバ型difference_type を持っていればそれを使用し、そうでなければpointer_traits <pointer>::difference_type を使用する。 |
C++11 |
size_type |
要素数を表す符号なし整数型。Alloc がメンバ型size_type を持っていればそれを使用し、そうでなければmake_unsigned <difference_type>::type を使用する。 |
C++11 |
propagate_on_container_copy_assignment |
コンテナのコピー代入時に、アロケータオブジェクトをコピー(伝搬)するか否か。Alloc がメンバ型propagate_on_container_copy_assignment を持っていればそれを使用し、そうでなければfalse_type を使用する。 |
C++11 |
propagate_on_container_move_assignment |
コンテナのムーブ代入時に、アロケータオブジェクトをコピー(伝搬)するか否か。Alloc がメンバ型propagate_on_container_move_assignment を持っていればそれを使用し、そうでなければfalse_type を使用する。 |
C++11 |
propagate_on_container_swap |
コンテナの交換時に、アロケータオブジェクトをコピー(伝搬)するか否か。Alloc がメンバ型propagate_on_container_swap を持っていればそれを使用し、そうでなければfalse_type を使用する。 |
C++11 |
is_always_equal |
Alloc::is_always_equal が存在する場合はAlloc::is_always_equal 。それ以外の場合はis_empty<Alloc>::type 。 |
C++17 |
rebind_alloc<U> |
型U を確保するようにアロケータ型を再束縛する。Alloc::rebind<U>::other が有効ならそれを使用し、そうでなければAlloc<U, Args >を使用する。Alloc がクラステンプレートでない場合、rebind_alloc の使用は不適格となる。 |
C++11 |
rebind_traits<U> |
再束縛した型U に対するallocator_traits 。allocator_traits<rebind_alloc<U>> |
C++11 |
#include <memory>
template <class T, class Alloc>
class MyVector {
T* data_;
std::size_t size_;
Alloc alloc_;
public:
MyVector(std::size_t size)
{
using traits = std::allocator_traits<Alloc>;
size_ = size;
// メモリを確保
data_ = traits::allocate(alloc_, size);
// 要素を構築
for (std::size_t i = 0; i < size_; ++i) {
traits::construct(alloc_, &data_[i]);
}
}
~MyVector()
{
using traits = std::allocator_traits<Alloc>;
// 要素を破棄
for (std::size_t i = 0; i < size_; ++i) {
traits::destroy(alloc_, &data_[i]);
}
// メモリを解放
traits::deallocate(alloc_, data_, size_);
}
};
int main()
{
MyVector<int, std::allocator<int>> v(3);
}
- std::allocator_traits[color ff0000]
- std::allocator[link allocator.md]
- traits::allocate[link allocator_traits/allocate.md]
- traits::construct[link allocator_traits/construct.md]
- traits::destroy[link allocator_traits/destroy.md]
- traits::deallocate[link allocator_traits/deallocate.md]
- C++11
- GCC, C++11 mode: 4.7.3
- Clang libc++, C++11 mode: 3.0
- ICC: ?
- Visual C++: 2012, 2013