- memory_resource[meta header]
- cpp17[meta cpp]
<memory_resource>
ヘッダでは、ポリモルフィックなアロケータ(多相アロケータ、型に依存しないアロケータ)とそれを実装するためのインターフェース、及びその標準実装を提供する。
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
memory_resource |
アロケータ実装を抽象化するためのインターフェース | C++17 |
polymorphic_allocator |
型によらないアロケータ実装を利用可能なアロケータ | C++17 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
synchronized_pool_resource |
スレッドセーフなメモリプール | C++17 |
unsynchronized_pool_resource |
スレッドセーフではないメモリプール | C++17 |
monotonic_buffer_resource |
最後にまとめて領域を解放するmemory_resource |
C++17 |
pool_options |
pool_resource クラスの内部プール調整のためのクラス |
C++17 |
名前 | 説明 | 対応バージョン |
---|---|---|
new_delete_resource |
operator new 、operator delete を利用するmemory_resource を取得 |
C++17 |
null_memory_resource |
確保も開放も行わないmemory_resource を取得 |
C++17 |
set_default_resource |
各コンテナでデフォルト使用されるmemory_resource の設定 |
C++17 |
get_default_resource |
各コンテナでデフォルト使用されるmemory_resource の取得 |
C++17 |
このクラス導入以前のアロケータはPolicyベースデザインというパターンに基づく設計であったため、アロケータの型がそれを利用する型にも表れてしまっていた。
それによって、利用するアロケータが異なる型は異なるクラスとして扱われてしまいいくつか不便なところがあった。
例えば自作のアロケータoriginal_allocator
を作り、利用しようとすると以下のような問題が生じる。
std::string str1 = "string";
std::basic_string<char, std::char_traits<char>, original_allocator<char>> str2 = "string";
//型が違うので比較不可
auto r = str1 == str2;
std::vector<int> v1 = {1, 2, 3, 4};
//型が違うのでコピーできない
std::vector<int, original_allocator<int>> v2 = v1;
//比較も不可
auto r = v1 == v2;
これらの問題の解決の必要性は認識されていたが、従来のアロケータの改修は互換性の問題等から難しいために新しく多相アロケータ(polymorphic_allocator
)が導入された。
多相アロケータはアロケータの実装を型に出さずに動的に切り替えることのできるアロケータであり、上記の問題を解決することができる。ただし、従来のアロケータを利用するクラスとの間では相変わらず上記の問題が残り続ける。
本ヘッダにはその多相アロケータに関連するクラスや関数群が定義されている。
またこれらの追加に伴い、標準ライブラリ内でアロケータを用いるクラスにデフォルトでpolymorphic_allocator
を利用するエイリアスが導入された。これは各クラスのヘッダ毎に宣言される。
以下は全てstd::pmr
名前空間配下に宣言されている。
basic_string
string
wstring
u16string
u32string
deque
forward_list
list
vector
map
multimap
set
multiset
unordered_map
unordered_multimap
unordered_set
unordered_multiset
match_results
cmatch
wcmatch
smatch
wsmatch
- C++17
- Clang: ??
- GCC: 9.1
- Visual C++: 2017 update 6
- C++1z 多相アロケータとメモリプール - Faith and Brave - C++で遊ぼう
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- Polymorphic Allocator in C++17 - Qita
- C++17の新機能 アロケータ編 / new features of C++17 - allocator
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- P0220R1 Adopt Library Fundamentals V1 TS Components for C++17 (R1)
- P0337r0 | Delete operator= for polymorphic_allocator
- Working Draft, C++ Extensions for Library Fundamentals, Version 2
- N1850 Towards a Better Allocator Model
- N3525 Polymorphic Allocators
- N3726 Polymorphic Memory Resources
- N3816 Polymorphic Memory Resources - r1
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