2013年4月20日から上演開始となる『不思議の国のハローキティ』が、4月19日にブロガー向けに先行公開されていたので見に行ってきました。
とりあえずネタバレにならない程度のことを。
- かけがえのない大切なものとはなんなのか、を改めて考えさせてくれるショー。
- ルイスキャロルの元々のシナリオはほとんど関係ない。そもそもアリスが出てこない。だからこそ既視感なしで楽しめる。
- 前作『ハローキティとオズの魔法の国』、前々作『ハローキティのくるみ割り人形』と比較して大人向けのギャグが多数。特にセリフまわし。突込みどころが多すぎる。
- 宝塚なので後半は前々作や前作とほとんど同じ構成。大階段や男役も健在。
以降はネタバレを含むので、ショーをまだ見ていないのならば読まないほうがいいかも。
- テーマとしては、世界に一つしかない大切なものはなんであるのか、だと感じた。世界にたった一つしかないタイムエプロン、ミラクルティアラ、そして、愛する人、家族。
- 女王がミラクルティアラでアンチエイジングを目指すのは、王様と一緒に過ごしたいから。キティがタイムエプロンを大切にするのは、メアリーが心をこめて縫ってくれたものだから。ハートを失ってしまうと本当に大切なものがなんであるのかを見失い、ミラクルティアラなどのように表面上のもののみに固執してしまう。心に豊かさを持ち、本当に大切なものを大事にしなければならない。なんか辻社長が好きそうな内容ですね。
- キャッチコピーの「トキメキ、見つかる♡」のトキメキとは具体的に何であるのか特定することができなかった。見た人それぞれにとって世界にたった一つしかない大切なもの、すなわちトキメキなのか、を見つけてほしいという意味だろうか。ビリーブやオズのように本が出ることが期待される。
この日は2回上演があったので、1回目は中央後方から、2回目は左側2列目から見させてもらいました。アリス含め当日の写真は Picasa Web Album の 20130419-Puroland にアップロードしてあるので興味があればご覧ください。以下ではその中の写真から場面順に適当に抜き出していきます。
とりあえず、ジョージ、メアリー、ミミィ、カイルの衣装から。
以前からグリーティングで出てきているアリスの新衣装はタイムエプロンという名称らしい。キティが時計の読み方を覚えられるようにと、メアリーが縫ってくれたらしい。キティって時計も読めなかったんかいな。一方でミミィの衣装は花の名前を覚えるようにと花の衣装。ここでしか出てこないので、花の衣装のミミィを見たい場合は左側の席へ。
カイルに連れられてローズガーデンへ。
私にしてはとても珍しい写真。キャラクターが写ってすらおらず、ダンサーにフォーカスを合わせている。ブロガー先行公開の約束の為に多少はダンサーの写真も撮っておかないといかんかなということで。辛い決断でしたよ。ステージ右端ではキティとカイルがアドリブで何かをやっているので、そちらをメインにしたかったんだけれどもね。
バラがキティやカイルを持ち上げてしまうのは驚いた。危ないので良い子のみんなは真似をしないように。
王様と女王様とジャックが登場。アンチエイジングとかその歌詞とかハワイとか、このあたりから演出がギャグ路線であることを確信した。
女王様が歌っていてもついついキティのほうを見てしまうのが私の悪い癖。
ミラクルティアラが壊れアンチエイジングの効果がなくなると一瞬で老けてしまう。皆さんも気を付けましょう。自分も含め。
女王様のハートが奪われてしまったことを、ジョーカーによりジャックが濡れ衣を着せられてしまう。
疑われる理由が、ミュージカルの場面でイケメンのジャックが女王様といい雰囲気になっていたかららしい。なんという理由だ。前々作『ハローキティのくるみ割り人形』だけでなく世間一般でもイケメンは何をしても許されるはずではなかったのか。
この場面でもキティとカイルが壊れたミラクルティアラをステージ左端で直そうとしているので、ここもアドリブシーンになるのかな。期待。
先のローズガーデンでの右端とこの左端により両方の端でアドリブパートがあるとはなんと親切な。
ミラクルティアラを受け取りに、一見様お断りのロイヤルクラウンの店へお使いに行くキティとカイル。
タイムエプロンの横側の時計って広げられるたのね。今まで何度もグリーティングでこの衣装を見てきたけれども、広げられることには全然気づかなかった。
ロイヤルクラウンを受け取るついでに、冒頭でキティが壊してしまったカイルの眼鏡の替えも受け取る。カイルの服と同じく赤と黒のストライプ。
前作『ハローキティとオズの魔法の国』では途中からシアターのスポンサーではなくショーのスポンサーとして三城が加わり「一人一人に合わせて(眼鏡を)作っている」といったセリフが追加された。今回のアリスでは三城が最初からショーのスポンサーとなっており、オズで追加されたセリフと同様のセリフが入っていた。
たまたまジョーカーとそっくりなマスクを店頭で見かけ、その発注者が黒バラだということを知る。
黒バラの正体を突き止めるために、キティとカイルが黒バラへのお届け物をすることに。一見様お断りの店なのに、キティに預けるとはなんて適当な店なんだ。ギャグ路線だし何でもありだわ。
オカマっぽい黒バラ。私がダンサーをピンで撮るなんて滅多にないで。
キティとカイルが宅配屋さんに変装して黒バラにマスクを届けに行く。見るからに胡散臭い。キティは鼻をつまんで声を変えていた。口がないから声は口からではなく心から出るはずじゃなかったっけ。
宅配屋さんの変装が結構かわいいのだけれども、ちょっとしか出てこないのが残念。4月20日と21日のティーパーティで着てきてくれないかなあ。ということで21日のを前日になって予約してしまおうか。
黒バラの正体を突き止めたキティ。奪われたハートを取り返そうとする。
処刑されようとしているジャック。トランプ兵がよくできてる。
格闘経験があるかと聞かれて、無いと即答したり、大縄跳びがあったりで、緊迫した格闘場面なのにギャグ路線を徹底している。
キティの武器は槍。槍だけれども刃がある側は決して使わず、剣を受けたり柄側で刺したりする。刃物を振り回したらキティのイメージが壊れてしまうからこれでいいのだろう。それでも様になってる。さすが世界のキティ。
新しいミラクルティアラで若さを取り戻したもののハートがないため、思いやりのない発言を繰り返す女王様。ハートを付けて元通り。
ハワイから帰ってきた王様に、キティが本当に大切なものがなんであるのかを理解させようとする。そのような大切なものは金銀などとは換えられないのであると。
王様が女王様の気持ちを分かりハッピーエンド。
そういえばジョーカーが救われなかったね。ハートを奪う理由はあったのに。ギャグ要員だからワンワンごっこでもしててくだされ。
後半は前々作や前作と同じ構成。宝塚のことはよく知らんが、きっとこれが宝塚スタイルなんでしょう。
最初はラインダンス。ここで写真を撮るなんて私にしてはとても珍しい。
次はジョージとメアリー。色合いがきれい。生で見るのはもっときれいな色ですよ。
そしてダニエル。ダニエルが出てきた途端に客席から歓声が。ストーリーでダニエルが言及されていないことにより、本編に出てこないのではないかとかつてから危惧されていたが、その危惧通りになってしまった。
男役キティとミミィ。両者ともバラの衣装だけれども、単にバラが書かれているのではなく、バラの形状の生地。よく作ったなあ。近くで見てみたい。
フィナーレ。なんか KT の盾に見覚えが。前々作『ハローキティのくるみ割り人形』からの流用なのか。
キティのプレ40周年を記念して制作された今回の『不思議の国のハローキティ』。何事にも替えられない大切なものがなんであるのか、を考えさせてくれる素敵なショーだった。
マリウス葉や安蘭けいが声の担当もされているようなので、今までピューロランドに行ったことがない人も是非。