『キティだって休みたいときがあるんです。』というタイトルで講談社から2014年10月9日にキティの初の写真集が発売された。
写真の多くはキティのオフの様子を捉えたものになっている。単に写真が収められているだけの写真集ではなく、ピューロランドのショー出演で忙しい日々を送っているキティがリフレッシュのために旅行に行くというストーリーがついている。旅行によりキティはどうなったかは読んでのお楽しみで。
- タイトル: キティだって休みたいときがあるんです。
- 出版: 講談社アミューズメント出版部
- 発売日: 2014-10-09
- ISBN: 978-4-06-219104-3
- 定価: 1200円 (税別)
- サイズ: A5
- ページ数: 96
写真集にしては小さめのサイズの本で、お値段も据え置き。光沢のある紙ではなく、やや厚めのざらついた紙。写真集というよりかは実写の絵本といった感じ。
帯に書かれた謳い文句は以下のもの。
ハローキティ ファーストフォトブック
OFFのキティが詰まった写真集です。
…キティさん引退!?引退してOLになるのもいいわね。「キティ先輩!」って呼ばれちゃって。きっとテキパキ仕事をこなしちゃう!
疲れたら屋上でいちごミルクよ。
写真集に収められている写真のほとんどは見覚えがあるものであった。奥付によると撮影者は以下の3名らしい。
- 大坪尚人 (装丁 / 講談社写真部)
- Saiko Nishimura (パリ / SELF:PSY'S)
- 河原篤志 (ライブキャラクター)
この撮影者のリストからすると、おそらく表紙、裏表紙、帯のみが新規の写真で大坪さんによるもの。パリは表記通り Nishimura さんによるもの。それ以外は河原編集長によるものということになるのだろう。ただフコク生命のキティはぱっと見ではCMの動画から切り出したように見えたので、これは編集長によるものではないのかもしれない。
大坪さんと Nishimura さんによる写真とフコク生命のはいずれも2014年のものだろう。編集長の写真はおそらく2002年から2013年までのものだろうか。起点の2002年はあいまい。2014年の写真はなさそうだったので終点は2013年であっているだろう。掲載順と撮影年はバラバラ。厳密には検証していないが割合としては終点よりも起点に近い時期のほうが多めな気がする。
名前の順番では編集長が最後であるが、写真の大半は編集長によるものである。そのためこの写真集はキティの写真集でもあり、編集長の写真集でもある。
写真は既存のものばかりであるが、この写真集では単純に写真を並べているのではなく、ストーリー仕立てとなっている。ピューロランドでの仕事に疲れたキティがリフレッシュをするために旅行に行き、そして、という内容。笑いあり感動ありで。
編集長が撮影するキャラクターの写真はいずれもキャラクターの表情が出ている。編集長が写真を撮るようになる前の広報用のキャラクター写真はどれも真正面からの目線写真ばかりだったことが多いが、編集長の場合はそうではない。正面以外で色んな表情をとらえている。特に悲しい表情を出させるのが上手で、今回の写真集のストーリーにおいて悲しい表情は欠かせないものだ。編集長によるキティの色んな表情のストックがあるからこそ、既存の写真のみでストーリーを構築できたのだろう。
良い面だけではなく悪い面も一応述べておく。
文中の「キティさん」と「彼氏」という表現が引っかかる。ほかの文中には「キティちゃん」と「ボーイフレンド」という表記もあるのに、なぜそれらに統一しなかったのか。さん付けだと、何かと茶化しているイメージがある。昨今では「仕事を選ばないキティさん」などのタイトルでまとめ記事が作られたりしているし。ダニエルがキティの「彼氏」という表現は、お客さんがダニエルをキティの「彼氏」と呼ぶと、ギフトゲートの店員さんやピューロランドのスタッフさんによっては「ボーイフレンド」であると訂正することがある。なので「ボーイフレンド」が正しいはず。
この写真集のほとんどの写真を撮影している河原編集長による写真集へのサイン会はまだですかね。キティと一緒でのサイン会か編集長単独でのサイン会かは別途として、キティサイン会の座席に勝手に座っている編集長の写真をみたび出しておいてプレッシャーをかけてみよう。