Unityでゲーム制作する際のアーキテクチャ設計に関わるフレームワークです
基本的に、以下の要件を重要視した設計になっています
- 実行順の制御を容易にしたい
- 非同期処理を記述する箇所を明確にしたい
- 非同期処理や初期化処理の解放タイミングなどを明確かつシンプルにしたい
- レイヤーを作りすぎず、実装に対してのクラス量を抑えたい
- 仕様の変化になるべく強くしたい
- Window > Package ManagerからPackage Managerを開く
- 「+」ボタン > Add package from git URL
- 以下を入力してインストール
あるいはPackages/manifest.jsonを開き、dependenciesブロックに以下を追記します。
{
"dependencies": {
"com.daitokuamy.gameframework": "https://github.com/DaitokuAmy/game-framework.git?path=/Packages/com.daitokuamy.gameframework"
}
}
バージョンを指定したい場合には以下のように記述します。
https://github.com/DaitokuAmy/game-framework.git?path=/Packages/com.daitokuamy.gameframework#1.0.0
game-frameworkでは、「Unityにおけるシーン管理」だけでは不足しがちな、ライフサイクルの階層的管理をサポートしています
具体的には
- MainSystem
- Situation
- State
が該当します
アプリ起動中のライフサイクルを管理するクラスで、Singleton的な動きをします
アプリケーションの以下のサイクルを管理できます
- アプリケーション起動時の初期化処理
- アプリケーションソフトリブート時のリセット処理
- アプリケーション起動中の更新処理
- アプリケーション終了時の処理
具体例で言うと、以下のような記述を書きます
- 初期シーンの決定(タイトル画面など)
- 常駐システムの生成/初期化やリセット処理
Unityのシーンでは管理しづらい階層的なシーン管理(ここではシチュエーション管理)を行います
例えば以下のような階層設計が可能です
- TitleSceneSituation // title.unity
- TitleSetupSituation // タイトルロゴ
- TitleMainSituation // タイトルメニュー
- HomeSceneSituation // home.unity
- HomeMainSituation // ホーム画面メイン
- EquipmentSituation // 装備画面
- GameSceneSituation // game.unity
- GameStartSituation // ゲーム開始演出
- GameMainSituation // ゲームメイン
- GameResultSituation // ゲーム結果
Situationでは大きすぎるような簡易的な状態毎の定義を記述するために使用します
例えば以下のような状態で使用します
- GameMainSituation // ゲーム中
- State.Playing // プレイ中
- State.Pause // 一時停止中
- State.CutIn // カットイン再生中
- MainSystem
- 必ず一つ
- 常駐システムの初期化や更新を行う場所
- Situation
- Unityシーンの切り替わり + その内部での大きな切り替わり
- ロード、初期化、更新、解放などの非同期的な物を含むライフサイクルを管理する
- State
- 必要に応じて使う(使わなくても可能)
- 実質、解放処理付きswitchのような扱い
- 同期的な初期化とState切り替わり時の終了処理の記述に特化している
flowchart LR
subgraph MainSystem
subgraph TitleSceneSituation
TitleSetupSituation --> TitleMainSituation
end
subgraph HomeSceneSituation
HomeMainSituation <--> EquipmentSituation
end
subgraph GameSceneSituation
subgraph GameMainSituation
PlayingState <--> PauseState
PlayingState <--> CutInState
end
GameStartSituation --> GameMainSituation --> GameResultSituation
end
TitleSceneSituation --> HomeSceneSituation <--> GameSceneSituation
end
UnityのUpdateに依存させずに更新順番の管理を行う場合に使用します
- UnityのUpdateを使わない理由
- 各MonoBehaviour間の更新順の管理が曖昧になりやすい
- 更新を呼びたいだけなのに、無駄にGameObjectやMonoBehaviourを作る必要がある
- Taskを使うポイント
- 基本的に実行順番が重要になる物はこの更新サイクルに乗せるのが理想
- UI, Camera, Transform, Effect など
- 基本的に実行順番が重要になる物はこの更新サイクルに乗せるのが理想
- なぜ更新順が重要なのか
- Action性の高いゲームの場合、Input > SetMotion > UpdateBone > UpdateCamera > ConstraintEffect/ConstarintUI のような1frameにおける処理順が重要になる
- 上記がうまく出来てないと、3Dキャラに追従させたHPゲージなどがずれてしまったり、エフェクトや当たり判定の位置がずれてしまうなどが起きる
- Action性の高いゲームの場合、Input > SetMotion > UpdateBone > UpdateCamera > ConstraintEffect/ConstarintUI のような1frameにおける処理順が重要になる
UnityのCoroutineやC#のasync等とは違い、更新タイミングにずれを無くしたい非同期処理に対して使うためのCoroutine実行用の機能です シンプルに言えば、Updateを自分でコール出来るCoroutineの実行機構です
- 専用で作る理由
- 実行タイミングが読みづらい(次のフレームになってしまう、他の連携すべき処理順とずれたタイミングで実行されてしまうなど)
- これに起因して、1フレーム待つコードなどが増えてしまう事を防止する
- 本来の非同期処理とは違う意図のコード(WaitForEndOfFrameなど)が使われてしまう
- 実行タイミングが読みづらい(次のフレームになってしまう、他の連携すべき処理順とずれたタイミングで実行されてしまうなど)
C#のCancellationTokenやUniRx等のCompositeDisposableなどの非同期処理のキャンセルや購読解除のタイミングを共通化するためのInterfaceです
- 専用で作る理由
- ライフサイクル用のシステム(Situation, Stateなど)で共通的に初期化と対となる解放処理を定義しやすくする目的
- 既存の物だと、拡張メソッドでは回避しづらくなるケースもあるが、IScopeは拡張メソッドでUniRxでのTakeUntil, AddToを拡張したり、CancellationTokenへの変換なども対応しやすいため
各ライフサイクル中で共通化したいInstance(わかりやすく言えばSingletonのような物)を管理するためのコンテナです
これ自体はDIコンテナとほぼ同様の役割をしており、DIを使わない想定の設計がgame-frameworkにはのっています
- なぜDIではないのか
- コードの制約を作る上では、DIの優秀な点は多く挙げられるが、Gameのような複雑な依存度が多いケースでは、引数のリレーが発生したり、どこかでそれを壊すようなSingletonが発生してしまったりする事が多い
- 上記のような背景から、「ライフサイクル管理とセットのInstance共有システム」と言う定義で作成している
- Singletonを使わない理由
- 提供クラス側に専用の記述が必要(staticインスタンス保持など)が必要になってしまい、継承関係に混ざってきたりしてコード自体が汚れてしまうため
UnityのTime.deltaTimeをラップした物で、これらをネスト管理する事が可能な仕組みです
- なぜネスト管理が必要なのか
- Gameではスローの表現を多層的に行う事が多く、Unity標準のUnscaled機能などでは対応しきれない事が多いため
- UIのTimeScale > 3D空間のTimeScale > 3DキャラのTimeScale > 3Dキャラの発射したObjectのTimeScale といったようなイメージ
- Gameではスローの表現を多層的に行う事が多く、Unity標準のUnscaled機能などでは対応しきれない事が多いため