Scid(Shane's Chess Information Database: チェスの大規模な対局データベースを表示およびメンテするアプリケーション)を日本語に翻訳する非公式なものです。 対応しているScidのバージョンは5.0.2です。 適用方法および注意事項をまとめてありますので必要なときに目を通すようにしてください。
zipファイルを解凍したら2つのファイルを手動で配置する必要があります。 ScidのインストールされているフォルダをF:\Games\scid_windows_x64と仮定した場合
- F:\Games\scid_windows_x64\bin\tcl\lang にjapanese.tclを追加します
- F:\Games\scid_windows_x64\bin\tcl にあるlanguage.tclを解凍して出てきたものに上書きします
extrasフォルダにはオプションとしてScidの外観を調整する改造ファイルが同梱されています。
- コメントエディタの説明が日本語化されます。
- マーカー/矢印の配色が変更されます。(原色→明るめの中間色)
- マーカーの初期設定が■から○に変更されます。
- 矢印が太くなります。
- メインボードのマテリアルアイコンが大きくなります。(20固定→可変に変更)
適用するにはScidのbin\tcl内およびbin\tcl\windows内にコピーしてください。 具体的には、ScidのインストールされているフォルダをF:\Games\scid_windows_x64と仮定した場合
- F:\Games\scid_windows_x64\bin\tcl\board.tcl
- F:\Games\scid_windows_x64\bin\tcl\options.tcl
- F:\Games\scid_windows_x64\bin\tcl\windows\comment.tcl
という3つのファイルをそれぞれ上書きします。
Scidは歴史のあるソフトで、旧バージョンから更新されていないヘルプが多く、すでに存在しなかったり、すでに変更されているのに古いままの記述が残っています。
- メニューやショートカットキーがヘルプと異なるものがあります
- バリエーション用のボタンとメニューは撤去されていて存在しません
- マーカーをつけるヘルパーボードは撤去されていて存在しません
- 試用モードがなくなっています
- EPDウィンドウは撤去されていてなくなっています
- テーブルベースは撤去されていてなくなっています
- Pgnscidは存在しません削除済みです(PGNインポートが本体に内蔵されています)
- プレーヤー名の設定はなくなっています
- Dublin Core メタ情報のダイアログがありません
- Xfccサポートおよびそのヘルプがありません
- si5形式のデータベースがファインダーで表示されません
- ツールバーが撤去されているので外部ハードウェア接続ボタンが表示できません(次回以降起動時にエラーが発生します)
- ゲームのレビューへのヘルプページのリンクがありません
NAGには従来通りの翻訳を採用しているため、近年よく利用されているchess.comおよびlichessの表記と異なります。 なおブランダー、ポカミスという呼び方は採用していません。
記号 | 原語 | 訳語 | chess.com | lichess |
---|---|---|---|---|
!! | Excellent move | 妙手 | 絶妙手 | 妙手 |
! | Good move | 好手 | 妙手 | 好手 |
? | Poor move | 疑問手 | 悪手 | 悪手 |
?? | Blunder | 悪手 | 大悪手 | 大悪手 |
!? | Interesting move | 注目手 | (なし)※ | 面白い手 |
?! | Dubious move | 奇手 | やや悪手 | 疑問手 |
※これらのサイトはStockfishの評価値の変動幅によって好手/悪手/大悪手を自動的に決めているのですがStockfishには注目手と奇手の判別がつかず、どちらも「やや悪手/疑問手」扱いになります。
以下は翻訳と関係ないことですが初心者によくあるトラブルをまとめておきます。
棋譜の削除(指し手の削除)の仕方が特殊で癖があります。
ヘルプに記載されているように、Ctrl+DeleteもしくはCtrl+Backspaceを押しても最後の手を削除できません。右クリック後に表示されるコンテキストメニューから「削除:最後までの指し手」を選んでください。またはCtrl+Zでアンドゥしてください。
PGNウィンドウ内で誤ってCtrl+Aを押してしまうと「()」という空のバリエーションが作成されてしまいます。直前であればCtrl+Zでアンドゥし、そうでない場合は()の上で右クリックしバリエーションの削除を選ぶと削除できます。
削除は専用フラグを立てるだけという動作になっていて、データベースの中に残り続けます。これらは圧縮を行うことでまとめて削除されます。
盤面にマーカー、矢印の追加方法がヘルプと異なっています。マーカーを追加するには盤面で右クリック、矢印を書くには右ドラッグを使います。マウスボタンが一つしかないOSの場合は「Ctrlを押しながら」クリックでマーカー、「Ctrlを押しながら」ドラッグで矢印が書かれます。
適切にPhotosディレクトリを設定してしまうと読み込みに時間がかかます。 リソースダイアログのPhotosディレクトリは空欄のままにしておいてください。
翻訳にはOmegaTを使用しています。原文および翻訳文以外のファイル(omegat.projectおよびフォルダに存在しているファイル)はOmegaTで読み込む際に使用します。
Copyright (c) 2023 yamanaiyuki This program is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or any later version.